父親の再婚で義理の姉弟になったちぐさと晴彦。美しいブラジャーのファッション性を愛する晴彦を見て最初は戸惑うちぐさだったが、理解して受け入れようと模索する。**「ふつう」の基準って誰が作るんだろう。**”陰キャラ。強い言葉だ。静かで目立たない人たちをバカにする、言葉。智くんが、友だちが、クラスの子がなんの躊躇いもなくそれらの強い言葉を契機で口にするとき、私は自分が言われたわけでもないのに、きゅっ、と身を縮こませてしまう。倫理的に憤りを覚えるというよりは、単純に、自分たちが強い側にいることに無自覚な人が、こわい。彼らがつくる「ふつう」は、いつだって私を刺せる。刺すつもりもなく、刺せる。”**人を刺すことができる「ふつう」の空気。男の子がブラジャーをすることは「ふつう」ではない。付き合っている彼に抱き寄せられて、思わず拒絶をしてしまうことは「ふつう」ではない。もっと、もっと、いろいろ。何が「ふつう」で何が「ふつう」ではないの?**ちぐさが「ふつう」ではない晴彦を理解しようとする過程は、決して優しくない。春彦の内側に歩み寄ろうとする様子は、真っ直ぐすぎて暴力的だ。土足でズカズカと踏み込んでいき、自分勝手に相手の感情を振り回すような横暴さだけど、嘘がない。だから晴彦はちぐさを受け入れたのだと思う。**”見せていることがすべてじゃないだろ。見えているものが、すべてでもない……。”**春彦のこのセリフに全てが集約されている。私たちは目には見えない「ふつう」にとらわれて、判断を間違う時がある。狼狽える時がある。見えないものを見ようとする努力、理解しようと歩み寄る気持ちを忘れてはならない。わたしの「ふつう」は誰かの「変」なのかもしれないのだから。**ぜひ中高生の人に読んでほしい。10代の子はどんな感想を持つのだろう。**#晴彦がいい子すぎる#BOOK #bookstagram #読書垢 #読書記録 #読書好きな人と繋がりたい #本好きな人と繋がりたい #読書の秋 #わたしの本棚 #私の本棚 #読書記録 #読書日記 #読書感想文 #読書メモ #本が好き #活字中毒 #本棚 #佐原ひかり #ブラザーズブラジャー #河出書房新社 #followme
ブラザーズブラジャー 佐原ひかり
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